2020年06月29日10時13分
独物流大手DHLグローバル・フォワーディングの北アジア南太平洋地区最高経営責任者(CEO)で、日本法人の代表取締役社長を務めるチャールス・カウフマン氏は時事通信とのインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大を受け医薬品などの物流需要が高まる一方、渡航規制で旅客機の運航が停止したことによる貨物の輸送能力不足が課題となっているとの認識を示した。
カウフマン氏は新型コロナ危機について、「このような困難な時には特に、われわれはサービスを迅速に提供し、供給を確保していく必要がある」と強調。個人用防護具(PPE)などの感染対策用品や医薬品の輸送需要の急増にもグループの物流網を通じて対応し、業界のけん引役として重要な役割が果たせたと自信を見せた。
カウフマン氏は一方で、航空各社の相次ぐ欠航で空路による「輸送能力が依然不足している」と懸念。チャーター便など新たな方法で解決を図っていく方針を示したが、「輸送コストは上昇している」と指摘。十分な容量がないため、送料は今年下半期、世界的に値上がりするとみている。
日本で重視する分野として、カウフマン氏は生鮮品を挙げ、航空便欠航などの影響で輸出が落ち込んでいるホタテ貝を含む水産物について、チャーター便を使い、北海道千歳空港から香港空港へ中国の消費者向けに空輸を再開したことを明らかにした。同社によると、この貨物用のチャーター便は現在、千歳空港と香港空港を結ぶ唯一の直行便となっている。
カウフマン氏は今後の見通しについて、経済活動は今年末までに徐々に回復するだろうと「前向き」でいると述べた一方、感染再拡大などのリスクも踏まえ、迅速に対応していけるよう準備しておく必要があると語った。
米中貿易摩擦に関し、カウフマン氏は「各市場は深くつながっているため、米国は中国製品を、中国は米国製品を買う必要があり、コロナの渦中でさえ国を閉鎖することはできないことが示された」と指摘。関税の影響を注視する必要はあるものの、貿易は今後も増えていくとの見方を示した。
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June 29, 2020 at 04:15PM
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独物流大手DHL、生鮮品のチャーター便輸送再開 北海道水産物を香港へ - 時事通信ニュース
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