ヤマト運輸株式会社と北海道開発局旭川開発建設部は、2021年11月に実施した「道の駅」を拠点とした中継輸送実証実験の結果を公表した。
生産空間における物流サービスの維持への貢献を確認
本実験は道北地域において物流事業者が連携し、幹線道路沿いに立地し休憩機能等を有する「道の駅」の特性を活かした中継輸送実証実験だ。これによって次の3つの効果を検証でき、生産空間における物流サービスの維持への貢献を確認したという。
①労働環境の改善
中継輸送及び荷物集荷のタイミングを合わせることにより、トラックドライバー1人あたりの運転時間・拘束時間が削減され、長時間運転の発生を回避するなど労働環境を改善。
厚生労働省によるトラックドライバーの労働時間等の改善基準を満たし、2024年からスタートする時間外労働時間の上限規制内となった。
②輸送費用の低減
トラックドライバーの運転時間・拘束時間の短縮により、人件費・トラックの燃料費・高速道路の料金等を合わせた輸送費用を約45%低減した。
③環境負荷の軽減
トラックからのCO2排出量を約50%軽減し、カーボンニュートラルへの取り組みにつなげることができた。
全国の「道の駅」活用に期待
本実験によって、本来は休憩や食事、買い物のための施設として整備された「道の駅」を活用することで、ドライバーの労働環境の改善や環境負荷の軽減など、物流事業者にさまざまなメリットが生まれることがわかった。
「物流危機」と呼ばれる状況をいまだ脱することができていない中、今後、全国に点在する「道の駅」の活用が持続可能な物流インフラの構築に寄与することを期待したい。
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