新車の輸送というと、大型トレーラーの積載車や専用船などで行われるのが一般的ですが、一部の軽自動車メーカーでは鉄道貨物も活用しているといいます。どのような方法なのでしょうか。
発想の転換! 車両輸送専用貨車から汎用コンテナの活用へ
日本国内で販売される新車(完成車)を運ぶ手段において、鉄道輸送のシェアは高くありません。そんななかで、三菱自動車工業(以下、三菱)とダイハツ工業(以下、ダイハツ)は、新車の軽自動車の一部を鉄道で輸送しているといいます。
その方法はなんと、コンパクトな鉄道コンテナを活用するというもの。ではどのようにしてコンテナで軽自動車を運んでいるのでしょうか。
現代における新車の輸送は、積載車による陸上輸送や、船による海上輸送が主ですが、近年は生産拠点の集約化や輸送効率の向上、トラックドライバー不足の解消、CO2削減などを推進するために、環境負荷が少なく、一度で大量に運べる鉄道輸送にシフト(モーダルシフト)する企業も多く見られます。
例えばクルマ用のパーツ輸送では、トヨタが名古屋南貨物駅(名古屋臨港鉄道)から盛岡貨物ターミナル駅(JR貨物)間で「TOYOTA LONGPASS EXPRESS(トヨタ・ロングパス・エクスプレス)」という貨物列車を走らせているほか、2023年4月からは、スズキも一部の部品輸送を鉄道にシフトを開始しています。
このように自動車部品に関する鉄道輸送は脚光を浴びつつありますが、かつては、新車自体も鉄道輸送が行われていました。
ピークを記録した1972年には、国内の乗用車生産台数のうち3割にあたる約80万台が、「車運車(ク)」と呼ばれる車両輸送専用の貨車を用いて運ばれていたのです。
その後、国内の港や高速道路整備が進む一方で、鉄道での新車輸送が下火となる中、1990年代からは様々な自動車輸送用コンテナが開発・実用化され、新車の輸送も行われましたが、2010年頃にはそれも終了してしまいました。
ところが現在でも、一部のメーカーが鉄道による新車輸送を行っています。それが、三菱とダイハツの軽自動車輸送です。
三菱では1996年5月から、同社水島製作所(岡山県倉敷市)で生産された新潟地区販社向けの軽自動車(主に「eK」シリーズ)について、倉敷貨物ターミナル駅(水島臨海鉄道)から新潟貨物ターミナル駅(JR貨物)間で鉄道輸送を開始しており、2023年現在で27年という長い歴史を持ちます。
三菱の担当者によると、鉄道利用はモーダルシフト(環境負荷の低い物流への転換)による環境配慮型輸送が目的だと説明します。
そのメリットは環境負荷の軽減に留まらず、長距離陸上輸送の代替輸送能力確保、輸送リードタイムの短縮などがあるといいます。
現在は、貨物輸送開始当時よりもさらに環境負荷低減や物流の効率化が叫ばれるようになったため、まさに時代が追いついた輸送方法と言えるでしょう。
三菱の鉄道による軽自動車輸送は、当初大きめのコンテナに4台の軽自動車を積むことができる「UV42A」コンテナで運んでいましたが、その直後に軽自動車の車体サイズなどが規格変更を受け大型化。UV42Aへの積載が不可能となり、12フィート・5t積みタイプの汎用コンテナ(「19D」など)を使用するようになりました。
この場合、軽自動車を専用パレットに載せ、フォークリフトによってひとつのコンテナの中に1台ずつ積み込まれます。ちなみにコンテナ貨車(コキ)1両あたり、最大5個の12フィートコンテナを積載できます。
なお倉敷貨物ターミナル駅には、新車の整備や点検・オプションの装着などを行う三菱の施設も併設されています。
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May 14, 2023 at 03:10PM
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