Thursday, January 25, 2024

墜落輸送機、当該空域入り15分前にウクライナに警告=ロシア議員 - ロイター (Reuters Japan)

墜落輸送機、当該空域入り15分前にウクライナに警告=ロシア議員

捕虜のウクライナ兵士を乗せたロシア軍輸送機の墜落を巡り、ロシアの議員は25日、ウクライナの軍事情報機関は同機が撃墜された空域に入る15分前に警告を受けていたと述べた。24日撮影(2024年 ロイター/Stringer)

[モスクワ/キーウ(キエフ) 25日 ロイター] - 捕虜のウクライナ兵士を乗せたロシア軍輸送機の墜落を巡り、ロシアの議員は25日、ウクライナの軍事情報機関は同機が撃墜された空域に入る15分前に警告を受けていたと述べた。

ロシア国防省と緊密な関係を持つ元将軍のアンドレイ・カルトポロフ議員が、他の議員らに対し述べた。カルトポロフ議員はロシア議会の国防委員長も務めている。

カルトポロフ議員は「ウクライナ側は公式に警告を受けており、同機が飛行区域に入る15分前には完全な情報を得ていた。ウクライナ軍情報総局がその情報を受け取ったことも確認した」と述べた。

この発言は、ウクライナ軍情報部が同機の飛行について知らされていなかったという発言と矛盾する。

ウクライナ側はカルトポロフ議員の発言を否定し、国際的な調査を求めている。

一方、ロシア連邦捜査委員会は25日、墜落した軍輸送機はウクライナ製の地対空ミサイルで撃墜されたと発表した。 もっと見る

ウクライナ軍情報機関のアンドリー・ユソフ報道官は、これまでの捕虜交換前の慣例に反し、ウクライナはロシアから輸送機が撃墜された空域での攻撃を控えるよう要請を受けていないと指摘。「容疑を裏付ける証拠は何も示されていない。残骸や機内の人の存在を証明するものは何も示されていない」と述べた。

さらにウクライナは同地域で偵察用ドローン(無人機)を使用しており、ロシアも攻撃用ドローンを発射したと言及。ウクライナが何かしらの標的を攻撃したという「確認された情報はない」とし、「(戦争で使用されている)S300地対空ミサイルシステム用の弾薬や武器を輸送するために人間の盾としてウクライナ人捕虜が使用されるなど、挑発を含め様々なシナリオが考えられる」とした。

ロシア国防省によると、捕虜のウクライナ兵士65人を乗せた軍の輸送機イリューシン(IL)76が24日、ウクライナ国境近くで墜落した。ウクライナによる意図的なミサイルによる撃墜としている。同機にはウクライナ人捕虜のほか乗員6人と警護員3人の計74人が搭乗。地元当局によると全員死亡した。 もっと見る

ウクライナの人権委員会に所属するドミトロ・ルビネッツ氏はロイターに対し、今回の輸送機墜落はロシアが計画した偽情報の拡散活動だと確信しているとし、墜落後にロシアメディアが公開したウクライナ人捕虜の死傷者リストにはこれまでの捕虜交換ですでに帰国済みの兵士が含まれていると言及。「ロシアは声高に主張するが、誰も立ち入らせない。分析のための資料は一切渡さず、ただウクライナを非難するだけだ」とした。

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