ホテルを選ぶ基準は、設備やホスピタリティーだけではない。ブランドへの信頼や、そのホテルならではの体験など、さまざまな要素が絡み合う。一つ一つのホテルが各地域の魅力を独自の個性で表現し、旅慣れた人々を魅了しているのが、インターコンチネンタルホテルズグループ（IHG）の「ホテルインディゴ」だ。日本第1号となる「ホテルインディゴ箱根強羅」が、1月24日に開業した。
土地に根差したデザインやカルチャーを採用
2004年に誕生したホテルインディゴは、欧米を中心に15カ国で112軒を展開する“ライフスタイル・ブティックホテル”のブランド。その土地に根差したデザインや食文化、ローカルカルチャーなどを取り入れ、ホテルのインテリアや室内アメニティーなどのあらゆるシーンに反映。地元ならではのストーリーを発信し、刺激的な滞在を提案するスタイルのホテルだ。
日本初進出となる地に選ばれたのが、アクセスのよい旅行先として人気の箱根強羅。桜の名所として有名な早川沿いに、全98室のホテルが完成した。
オープンに先立つ17日には都内でイベントが開かれ、ホテルのコンセプトが紹介された。IHGの国内運営会社であるIHG・ANA・ホテルズグループジャパンCEOのハンス・ハイリガース氏は「観光立国として世界から注目を集める日本は、エキサイティングな目的地。ホテルインディゴは2021年にも愛知県犬山市にオープン予定で、その後も続々と生まれることを期待しています」と語った。
開業前に開かれたイベントのワークショップ
地元の伝統工芸である箱根寄木（よせぎ）細工は、館内のアートワークなどに使用され、職人気分が味わえるワークショップも予定されている。イベントでは、寄木細工職人の露木清高さんを講師に招き、参加者らが8種類の木材を使ってのコースター作りを体験した。
SNSで旅の魅力を発信しているAYUMIさんのトークセッションでは、「初めての場所に行く時は、まずSNSのハッシュタグで事前に検索して調べて、いいスポットがあれば地図アプリにピンを立てています」と旅のコツを解説。サウナがあるフィンランドのホテルインディゴや、修道院を改装したイタリア・ベネチアのホテルインディゴなども紹介した。
世界各地のホテルインディゴを紹介するAYUMIさん
全98室に天然温泉の和式風呂
ホテルインディゴ箱根強羅の大きな特徴は、全室に天然温泉の和式風呂を完備し、うち80室は川を望む露天風呂が付いていること。だが、部屋や風呂の雰囲気は、日本の温泉旅館などとは一線を画している。
他にない個性的なインテリアデザインの客室
客室のインテリアには、懐かしさと新しさをちりばめた趣向を凝らした。壁には昭和初期の強羅の風景を撮影したモノクロ写真に遊び心を加えて、個性的な空間となっている。
和式風呂が全室に備えられている
アートワークは館内の至るところに配され、箱根の自然を象徴する石やホタルや落ち葉などと、寄木細工や浮世絵といった伝統的な要素が共存。過去と未来をつなぐ不思議な雰囲気を演出している。
温泉大浴場には、日本の温泉文化を表現したデジタルアートが壁面に施されている。男女共用で水着着用となっており、深さ1.2メートルの「立ち湯」やジェットバスも併設。脱衣場は、明治時代の銭湯をイメージしたレトロなアイテムで埋め尽くされている。
ダイニング中央に鎮座するオープンキッチン
ダイニングでは「火」をテーマに、炭や薪などを使ったグリル料理のほか、地元にゆかりのある食材を使ったメニューを楽しめる。「水」がテーマのバーラウンジでは、小田原ミカンなど季節の素材を使ったカクテルなどを提供する。
小田原ミカンのカクテルはイベントでも振る舞われた
ポール・ツジ総支配人は「江戸時代から宿場町として発展してきた箱根のネイバーフッドストーリーに満ちたホテルインディゴ箱根強羅は、お客様の冒険心と好奇心を満たすものと確信しています。ホテルチームとローカルコミュニティ、そしてお客様がワクワクする気持ちを共有し、新たな箱根の歴史を刻んでいくことを心から願います」とコメントしている。
「箱根のネイバーフッドストーリーを感じていただきたい」と話すポール・ツジ総支配人
■ホテルインディゴ箱根強羅
［所在地］神奈川県足柄下郡箱根町木賀924-1
［公式サイト］hakonegora.hotelindigo.com
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January 30, 2020 at 02:00PM
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