Wednesday, January 29, 2020

サブスク型のホテル予約サイト「Bidroom(ビッドルーム)」が起こすOTA革命 - ビジネス+IT


「三方両得」のビジネスモデルを目指す

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Bidroom(ビッドルーム)共同創業者のMichael Ros氏

(出典:Bidroom)

 今やOTAは旅行に欠かせない存在になりつつある。国内では楽天トラベルやじゃらんといったサイト、海外ではBooking.comやExpediaといったサイトがあるが、ホテルの画像やレビューなど、滞在先を決めるのに必要な情報が閲覧可能で、目的に応じた選択を助けてくれる。米アライドマーケットリサーチの調査では、OTA市場は年率11.1%で成長し、2022年までには1兆ドルに達すると予測されている。

 一方、今回取り上げるBidroomのビジネスモデルは、既存のOTAとは大きく異なる。

 既存のOTAは、旅行者からの予約手続きは無料で、ホテル側から手数料を徴収していた。一方、Bidroomは旅行者に月額(3ユーロ:約360円)/年額(29ユーロ:約3,500円)/無期限(99ユーロ:約1万2,000円)といったプランで定額課金(サブスクリプション)し、ホテルからは予約手数料を徴収しない。登録したユーザーは、ホテルの宿泊料を最大で25%割引で利用できるのがメリットだ。1年に数回程度利用すれば、元が取れる計算となる。

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Bidroomのビジネスモデル。利用者から月額/年額/無期限で利用料を課金する

(筆者作成)


 オンライン予約サイトから宿泊客を受け付けるホテルは、その集客力に魅力を感じてはいるものの、18~25%とも言われる高い手数料が収益を圧迫している。宿泊料金も自社サイトと同じか、より安い金額をオンライン予約サイトに提示しなければならないという契約が一般的だ。さらに、ユーザーの連絡先を含む個人情報はオンライン予約サイトが保持するため、継続的な関係を構築してロイヤルカスタマーに“育成”することも難しい。

 Bidroomはホテル側が感じる、これらの課題の解決を図っている。Bidroomのユーザーに割引を行っても、手数料が徴収されないため、ホテル側の収益は確保できる。たとえば、ユーザーが1万円支払っても、既存のサービスで18%の手数料が取られては、ホテルに入るのは8200円になる。Bidroomで5%の割引にすれば、ユーザーが支払う9500円がすべてホテルに入るのだ。ユーザー・ホテル・Bidroomの3者にとって「Win-Win-Win」の関係を築く。

柔軟な価格戦略が成功のカギを握る

 しかも、Bidroomはホテルに対して、「自社サイトより高い金額を提示してもよい」としている。また、ユーザーの連絡先も、ホテル側に開示される取り決めがなされる。ホテル側は売上を計上してから299ユーロ(約3万6,000円)の登録料を支払う必要があるが、オンライン予約サイトの集客力を活用しながらも、柔軟な価格戦略が実現できるのが利点だ。
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Bidroomのサイト。日本語化はされていないが、日本のホテルは登録されている

(出典:Bidroom)


 Bidroomは2014年、オランダで創業された。アムステルダムのほか、フランス(パリ)、トルコ(イスタンブール)、ポーランド(クラクフ)に拠点を構えている。2019年には世界128か国から、12万件以上のホテルが登録するまで成長しており、欧州や北米を中心に登録ユーザーは25万人を超えた。1500万ユーロの資金調達を行い、アジア・中東など世界展開を目指している。そして、2020年までには100万人以上のアクティブユーザーを獲得する計画だ。

 サイトの多言語化は進んでいるが、2020年1月現在、日本語は提供されていない。日本のホテルは掲載されているので、インバウンドの宿泊客向けに集客は可能だろう。

【次ページ】サブスクモデルで“肝”となる差異化ポイント

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January 30, 2020 at 05:13AM
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