Tuesday, February 25, 2020

東京マラソン 日本記録の先へ>(上)設楽悠太(28) 興奮させる走りを:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞

昨年9月のMGCでスタート直後に抜け出した設楽悠太(手前)=東京都港区で

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 東京マラソン(東京新聞など共催)が3月1日に行われる。男子は東京五輪のラスト1枠が懸かるレース。大迫傑(ナイキ)の持つ日本記録2時間5分50秒を超えなければ、昨年9月の東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)3位の大迫から出場権を奪えない。だが、目指すのは日本記録ではない。その先を見据える2人を紹介する。

 東京五輪への思いを問われると、設楽はきっぱり言った。

 「正直どうでもいいと思っています」

 五輪とはどういう舞台かと聞かれれば、淡々と答える。

 「リオデジャネイロ五輪(1万メートル)を走っても、ただ名誉しかついてこなかった。今は名誉のために走る必要はない。夏に強い選手はいくらでもいる。僕は冬に勝負したい」

 価値観は人それぞれ。選手は必ずしも五輪を目指すわけではない。設楽の五輪を重んじない姿勢は一貫している。

 では、どんなレースをしたいのか。なぜ走るのか。設楽には強いこだわりがある。

 「(日本記録の)2年前と同じく、見ている人を興奮させるような走りをして、日本のマラソンのレベルを上げたい。前半から勝負していかないと世界に勝てないし、見ている人もつまらない」

 理想のマラソン像はスピード勝負で42・195キロを押し切る。序盤からハイペースで刻み、観客を期待感でわくわくさせ、最後まで世界と勝負することだ。

 昨年9月のMGCでは誰もが様子見する状況で、号砲と同時に飛び出した。設楽のハイペースに誰も付いてこない。中間点では2分以上差を広げ、見ている者の度肝を抜いた。後半から日差しが強くなり、徐々に失速。37キロ付近で集団にのみ込まれたが、「やることをやった」と悔いはない。むしろ、日本マラソン界への失望感が襲ってきた。

 「海外のトップがMGCを見たら、笑われて終わり。2位以内を目指す争いをしてもつまらない。日本のレベルはまだまだ低いなと思った」

 代表選考会であっても、世界との戦いを想定していた。

 今年に入り、全日本実業団対抗駅伝、全国都道府県対抗駅伝、丸亀国際ハーフとレースを重ね、熊日30キロロードレースで優勝。調子を上げて東京に挑む。

 「東京で2時間5分台の日本記録を出しても(五輪代表を)辞退すると思う。4分台で走れないと東京五輪で走る資格はないと思っている」

 五輪に参加するだけなら意味はない。2時間4分台の力がなければ、日本中を興奮させ、世界と勝負することはできない。それが設楽の本音。だから、代表の座を得ることではなく、その先を思い描いて序盤から飛ばす。 (森合正範)

<したら・ゆうた> 2016年リオデジャネイロ五輪男子1万メートルに出場し、29位。18年東京マラソンで2時間6分11秒をマークし、16年ぶりに日本記録を更新した。19年のゴールドコーストでマラソン初優勝。埼玉・武蔵越生高、東洋大出。ホンダ。28歳。埼玉県寄居町出身。

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