Saturday, February 1, 2020

新型コロナウイルス、実は「マスク着用」より先にやるべきことがある(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

消毒薬やマスクが飛ぶように売れているが

 昨年12月、中国湖北省武漢(ウーハン)市から発生した謎の肺炎。昨年末時点では患者は武漢市のみ数十人程度で原因不明だったが、1月9日に中国当局は原因が新型コロナウイルスとみられると発表した。

死ぬ瞬間はこんな感じです。死ぬのはこんなに怖い

 中国国内では1月20日以降、感染者数の報告が増加し始め、中国国家衛生健康委員会による1月31日午前時点での発表では死者が213人、感染者は9692人にまで達した。またこの時期は中国の旧正月に当たる「春節」の休暇中で、国内で感染して海外に渡航していた中国人も多く、感染者の確認は30日時点で18か国にまで拡大している。

 日本ではこの新型コロナウイルス感染症について急遽、感染者の強制措置も可能な感染症法に基づく「指定感染症」と定め、WHOは1月31日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言する事態に至った。

 日本でも1月16日には神奈川県在住の中国籍男性の感染が発覚。この事態に日本政府は武漢市住日本人の退避のため政府専用機を派遣する異例の措置をとった。この政府専用機での帰国者の中からも3人の感染が発覚し、1月31日時点で日本国内で判明した感染者は12人、うち2人は武漢市渡航歴がない国内での二次感染とみられている。

 すでに国内では日本での感染者発覚直後から、ドラッグストアなどで消毒薬やマスクが飛ぶように売れているが、日本国内の二次感染者が発生したことでこのような動きは加速するとみられる。

 だが、まず結論から言おう。慌てるなかれ。ごく普通の感染対策で、感染のリスクを減らすことが可能なことを知っておこう。

「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」

 そもそもコロナウイルス自体は珍しいウイルスではない。

 現在、存在が知られているコロナウイルスは6種類。うち4種類は通常ヒトの間で流行する風邪の原因ウイルスであり、残る2種類が動物からヒトに感染し、比較的重症の肺炎を起こしやすいことが分かっている。

 風邪の原因となる4種類のコロナウイルスは、通常風邪といわれるものの10~15%、風邪流行期では3人に1人が感染する。コロナウイルスという名前を報道で初めて聞いた人もいるかもしれないが、広い意味でのコロナウイルスは実はほとんどの人が幼少時までに感染経験があるものなのだ。

 残る2種類のコロナウイルスは、一つが2002年に中国広東省を起点に32か国・地域で流行した重症急性呼吸器症候群 (SARS) の原因として見つかったSARSコロナウイルス、もう一つが2012年にイギリスで中東渡航歴にある肺炎患者から見つかった中東呼吸器症候群(MERS)のMERSコロナウイルス。

 SARSコロナウイルスはコウモリ、MERSコロナウイルスはヒトコブラクダの中にいたウイルスがヒトに感染するようになったものだ。

 これまで判明しているデータから計算できるこの2つのコロナウイルスでの感染者での死亡割合を示す致命率は、SARSコロナウイルスは約10%、MERSコロナウイルスが約34%と比較的高い数字となっている。

 これらのコロナウイルスの感染経路は、咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを含む唾など(飛沫)を吸い込む「飛沫感染」、感染者から発生したウイルスが付着したものを手で触り、その手で口や鼻を触るなどをして体内にウイルスが入り込んで感染する「接触感染」の2つとされている。

 一方で飛び散った飛沫から水分が抜けた状態でウイルスが長時間空気中を漂い、それを吸い込むことで感染が起こる「空気感染」はないと考えられている。

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