Tuesday, April 14, 2020

傷癒やす湯治宿、復活 被災乗り越え、先人の思い継ぐ―熊本地震4年 - 時事通信ニュース

2020年04月14日22時53分

地獄温泉「青風荘」社長の河津誠さんと、再開した露天風呂「すずめの湯」=3月18日、熊本県南阿蘇村

地獄温泉「青風荘」社長の河津誠さんと、再開した露天風呂「すずめの湯」=3月18日、熊本県南阿蘇村

 熊本県南阿蘇村の山奥にある秘湯「地獄温泉」の旅館は熊本地震の2カ月後、豪雨災害に見舞われた。傾き、泥に埋もれた歴史と伝統の宿。あるじの頭には廃業もよぎったが、建物解体中に先人の思いが込められた遺構を見つける。14日で熊本地震から4年。信念を受け継ぎ、あるじは人々の傷を癒やす湯治宿復活を目指している。
 江戸時代から200年以上続く阿蘇山麓の湯治場。「地獄」は、噴出する火山ガスで草木が生えない岩場があることが名の由来だ。
 しかし名湯の伝統は地震と豪雨で途切れる。最大震度6強の本震が村を襲い、温泉唯一の旅館「青風荘(旧清風荘)」は木造2階建て築約130年の本館など大半の建物で柱が傾き、窓が割れた。宿への道路も途絶。豪雨による土砂崩れで敷地の7割が土石流にのみ込まれ、建物は泥で埋もれた。3カ所あった源泉の一つは使用不能になった。
 被害総額は約20億円。国の補助金を活用しても4分の1は自己負担となる。「どんなに資金計算しても、やらない方がいいと思うばかりだった」。4代目社長の河津誠さん(57)は苦悩する。3万坪の敷地の全面復旧は諦め、半分にしても3億円超の借金を抱える。資金繰りに苦慮、道路復旧も進まず「八方ふさがりだった」。
 2年半後、本館裏の施設解体中に、建物に隠れていた50メートル以上に及ぶ石造りの水路が見つかった。約130年前、温泉が染み出す土地に本館を建てるため、水をせき止め流れを変えようとしたものだった。
 舗装路もトラックもない時代。病気やけがを治そうと湯治に訪れる人々を癒やすため、先人はこの山奥で重い石を運び組み上げた。「これまで受け継いだ環境にあぐらをかいていたが、地震で目が覚めた。苦しむ人々のため、との先祖の思いを初めて理解した」
 当初はコンサルタントの助言を受け、高級旅館として再建する計画だった。しかし地獄温泉を訪れてきたのは、痛みを抱えた人たちだったはずだ。誰もが長期滞在しながら湯治できる自炊宿を残そうと決めた。
 昨年4月、名物の露天風呂「すずめの湯」の営業再開にこぎ着けた。青灰色の強酸性硫黄泉で、湯船の底から湯が湧きだす。「先祖の思いを引き継ぎ、この先200年続くような新しい湯治文化を伝えていきたい」。早ければ今夏に離れの宿がオープン、来春には湯治場の機能が整うという。

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