メジャーの公式戦が延期となって以来、約1カ月が経過しましたが、依然として今後の日程は見えていません。機構や選手会がさまざまなアイデアを出し合っていますが、具体的な見通しは立っていません。

他のスポーツ界もほぼ同じような状況ですが、そんな中、NFL(アメリカン・フットボール)は4月23日から新人ドラフトを開催しました。例年であれば、主要都市の大きなホテルが会場となり、上位指名確実な選手が出席するなど、華やかなショーとなるのですが、今回はコミッショナーのロジャー・グッデル氏が自宅から各指名を発表するバーチャル方式で行われました。

野球のドラフトの場合、現時点で詳細は決まっていません。当初、今年は大学野球の聖地と呼ばれるネブラスカ州オマハで6月10日から12日までの3日間行われる予定でしたが、とりあえず7月までの延期が決定。各球団のスカウト活動が全面的に中止されていることもあり、指名順位を5~10巡目までに限定するなど規模を縮小されるプランが出ています。となると、来季以降、各球団の傘下マイナー選手数が少なくなるわけですが、マイナーの総球団数を現行の160から120に削減する方向で話し合いが進んでいるとも報じられています。

新人ドラフトだけでなく、7月14日にロサンゼルスのドジャースタジアムで行われる予定のオールスターは、実施が危ぶまれています。もし6~7月あたりにアリゾナやフロリダで公式戦が開幕したとしても、外出禁止令が続くロサンゼルス周辺の感染が終息しているとは限りません。機構側は、できる限り多くの公式戦を消化することを優先する見込みで、時期をずらしたとしても日程的にはより過密になってしまいます。いずれにしても、「ミッドサマー・クラシック(真夏の祭典)」と呼ばれるオールスターを無観客で行うことは考えにくいでしょう。ファン投票の選出方法も簡単ではなく、同地での開催を2022年と予測する声も聞こえてきます。

このほか、メキシコ、ロンドンで行われる予定だった試合は中止が決定。今は、世界中が通常の生活に戻り、その後、少しずつ練習や試合ができるようになるのを待つしかない状態は変わっていません。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)