政府が緊急事態宣言を全国で今月末まで延長する見通しとなり、興行ができないエンターテインメント業界の窮状は厳しさを増す。

「切迫感は強くなっている」と訴えるのは名古屋市のミニシアター「シネマスコーレ」の坪井篤史副支配人。「5月末以降に(クラウドファンディングの)『ミニシアター・エイド基金』から支援金が入る見通しだが、延長で5月も映画館を開けられない。この空白の1カ月をどう乗り切ればいいのか」と苦悩する。

ドリンク代を前払いする形でライブハウスを支援する全国プロジェクトを立ち上げたバンド「MASH BROWN」の小田翔武さんは「年単位で営業停止が続くと想定して動いていた」と延長も冷静に受け止める。

緊急事態宣言後は全く営業できず、4月で閉店を余儀なくされた店もあるという。「つぶれてしまうライブハウスを一つでもなくしたい」と力を込める。

小劇場文化の拠点、東京・下北沢で八つの劇場を運営する本多劇場グループ総支配人の本多慎一郎さんは「劇場は4月7日から自主休館し、5月末までの予定もほぼ白紙。6日までの上演中止は劇団からキャンセル料をもらわないことにしているが、それ以降はどうするのか、補償はあるのか。この状態での運営がいつまで続くか先が見えない」と声を落とした。(共同)