全国で豪雨被害が頻発する中、水郷・福岡県柳川市の象徴である掘割の治水機能が注目されている。雨水をためる「平地ダム」としての役割を最大限に生かすため、住民の協力で事前に掘割の水量を減らす「先行排水」を近年始め、被害軽減につながっているからだ。7月の豪雨でも効果を発揮。生活用水を確保するための先人の知恵は、住民の手で住民の命を守る砦(とりで)にもなっている。 【地図】福岡県柳川市の中心部を流れる掘割。市全域に同様の掘割が張り巡らされている 先行排水は数日後の雨量を予測し、豪雨になりそうな場合に掘割の水を抜く作業。掘割はもともと雨水を受け入れ、低地が多い市域の冠水を防ぐ役割も持っており、事前に排水することで機能をさらに強化する。
柳川市では6日午前8時からの24時間雨量が361・5ミリを記録。2012年の九州北部豪雨(281・0ミリ)を超えて市最大を更新した。市は3日夕から、地元住民に掘割からの一斉排水を要請。場所によっては底から10センチ程度にまで低下させ、泳げなくなったコイも救出して備えた。 被害は、大規模冠水した久留米市や大牟田市の間に位置しながら、農業被害額は両市の1~2割程度、床上浸水は2件に抑えた。 排水作業を担うのは農家や区長、建設業者ら事前登録した住民。市が一斉に出す要請を受け、約1100カ所ある排水門の開け閉めを約700人で、排水ポンプ場20カ所の操作を約60人で分担して受け持つ。
掘割は、干拓地が多く真水が手に入りにくいため、雨水をためたり河川から水を引いたりするために整備された。市内に網の目のように張り巡らされ、総延長は930キロに及ぶ。掘った土は低地に盛ってかさ上げし、田畑や家屋が造られ水害への備えにもなった。 だが、九州北部豪雨では市内を流れる矢部川、沖端川の堤防が決壊し、農地を中心に大きな被害が出た。そこで市は先行排水を本格的に導入。大雨予想が外れれば農業用水の不足につながるリスクも負うが、農家を中心に住民の理解も得られたという。 先行排水は梅雨時季に大雨が予測されれば、排水量の程度を変えてしばしば行っている。市は「大事な農業・防火用水を吐き出してしまうため、市民の理解なくしてはできない。冠水や農業被害は間違いなく軽減されるので周知徹底に努めたい」と話している。 (森竜太郎)
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July 31, 2020 at 09:48AM
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「命を守る砦」先人が築いた生活用水路に脚光 水郷の掘割、事前排水で被害軽減(西日本新聞) - Yahoo!ニュース
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