Friday, December 18, 2020

英のワクチン接種1週間で課題を知る 超低温輸送で苦戦、証明書発行に議論 - SankeiBiz

 【ロンドン=板東和正】英国で米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチン接種が始まってから15日で1週間がたった。数万人に投与されたが、接種を受けた2人がアレルギー反応を起こしたことからワクチンを望まない国民も増えている。英政府はワクチン普及のため、接種の有無を示す「証明書」の発行をほのめかしており、接種を受けない人が不利益を被るのではないかとの懸念が出ている。

 「久しぶりに、家族を抱きしめられる」

 ワクチン投与が始まった今月8日に接種を受けた40代の介護職員の女性は英メディアなどに喜びを語った。新型コロナが欧州で拡大した3月以降、接触による感染を恐れ「母親をハグできなかった」という。

 欧米メーカーのワクチンを初めて実用化した英国は8日から約70の病院で接種を開始。80歳以上の高齢者や高齢者介護施設の職員らが優先的に接種を受けた。ハンコック保健相は重症化リスクが高い人への接種が来春までに終了するとの見通しを示している。

 ただ、首都ロンドンを含むイングランド地方で、新型コロナによる死者数が多い高齢者介護施設の入居者への接種は進んでいない。ファイザーのワクチンは輸送時にマイナス70度前後に保つ必要があり、病院から高齢者施設への運搬方法が課題となっているためだ。英政府は保冷用の特殊なケースで輸送する計画をクリスマスまでに実行する方針だが、成否は予断を許さない。

 ワクチンの安全性に疑念を呼ぶ出来事もあった。8日に接種を受けた2人の医療従事者に投与後、すぐ激しいアレルギー反応が出た。2人は回復したものの、ファイザーの臨床試験(治験)で頭痛などの副作用が報告されていたこともあり、国内ではワクチンを恐れる人も出ている。

 英国の介護施設運営を支援する団体「ナショナルケア・アソシエーション」のアーメッド会長は英メディアに、介護職員の半分近くが「接種を拒否するかもしれない」と話した。

 こうした中で広がっているのが、英政府はワクチン推奨のため、接種の有無を示す証明書を発行するのではないかとの観測だ。発端となったのは、接種を担当するザハウィ保健担当閣外相が11月末、英メディアに、接種を受けたことを記録するスマートフォン用アプリの開発を検討していると明かしたことだ。

 ザハウィ氏は、アプリの記録がレストランなどに入る際に、ワクチンを投与されたことの「証明書」になりうると発言。同氏の説明は、レストランなどが証明書のない客の入店を拒否できるかの印象を与えた。

 ゴーブ内閣府担当相はその後、「(証明書の)計画はない」と否定。だが、ジョンソン政権に近い与党・保守党議員は今月7日の英スカイニューズ・テレビの番組で、証明書の構想を明確に否定しなかった。

 英人権擁護団体リバティは英紙デーリー・メールに「(証明書がなければ)公共サービスや住宅の利用のほか、就職まで妨げられる恐れがある」と指摘。「一部の国民は自由を得て、接種しない国民は社会から締め出される二重構造を生み出す」と懸念を示した。

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December 19, 2020 at 07:00AM
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