Thursday, December 24, 2020

入院させたい患者もホテル療養に|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp

新型コロナウイルスの感染が広がる札幌市で感染者の入院調整にあたっている医師がNHKの取材に応じ、先月以降、病床が圧倒的に足りなくなり、本来は入院させたい患者でもホテルで療養してもらっていることを明らかにしました。療養先のホテルでは120人が症状を悪化させて結果的に入院していて、容態が急変することを見越した療養の体制を早急に整える必要があると指摘しています。

取材に応じたのは、札幌市保健所で新型コロナウイルスの感染者の入院調整にあたっている札幌医科大学の上村修二医師です。
この中で、上村医師は、札幌市では先月9日以降、▼基礎疾患のある人や▼65歳以上の高齢者など、重症化のリスクが高いため本来は病院に入院させたい患者でも、ただちに治療が必要なければホテルで療養してもらっていることを明らかにしました。
背景には、市で連日50人を超える感染者が出る一方、用意できる病床は一日あたり20床程度と、圧倒的に足りないことがあり、「限られた病床を命の危険がある人に確実に提供するため、優先順位をつけた」と説明しています。
しかし、療養先のホテルではこうした感染者を受け入れて以降、点滴や酸素投与の治療が必要になるほど症状を悪化させる人が相次ぐようになり、結果的に120人あまりが病院に入院することになりました。
上村医師は、「今まで入院させていた人を療養にしているので、医療機関ではないところで容態が悪くなる人が増えてしまう。少しでも急変したときに対応できる体制が必要だ」と話しています。
その上で、「今後さらに感染者が増えると、ホテルでの療養も難しくなる。自宅でもオンラインの診療などで医師による健康観察ができるようにする必要がある」と述べ、容態が急変することを見越した療養の体制を早急に整える必要があると指摘しています。

【札幌の病床不足の現状は】
札幌市では先月から一日あたり50人から150人を超える感染者が報告されているのに対し、市が用意できる空きベッドは一日あたり20床程度が限度となっています。
これについて上村医師は、▼受け入れ先の病院の人員が限られるほか、▼感染対策やほかの医療との両立が必要である以上、多くの病院にとって、受け入れをさらに増やすのは現実的に難しい状況が続いているとしています。
このため、入院できない感染者がホテルや自宅で療養する事態を見越して、優先して入院を検討すべき人の順番も決めているということです。
具体的には、ただちに病院での治療を必要とする感染者を除いて、《1》ホテル療養で症状が悪化した人、《2》自宅で症状が悪化した人、《3》自宅で療養する要介護の人、《4》施設にいる要介護の人、《5》病院にいる人、《6》高齢者や基礎疾患がある人で無症状のため自宅にいる人、《7》自宅にいる若者や軽症の人、などとしています。
上村医師は、「新型コロナウイルスの病床を増やせば増やすほど、ほかの医療にも影響が出る。限界があることを受け入れて病床をいかに効率よく活用していくかを考えなければならない」と話しています。

【第3波で変わった優先順位】
上村医師は、“第3波”では、どの患者を入院させるかで、“第2波”とは異なる優先順位をつけることを求められていると指摘します。
“第3波”では、一日あたりの感染者が“第2波”の2倍以上に上っているためで、“第2波”では行うことができていた▼症状が悪化する可能性を見越した入院や、▼家族や同僚などへの感染拡大を防ぐための“隔離”を目的とした入院ができなくなっているということです。
具体的には、重症化のリスクが高いとされる▼基礎疾患のある人や▼65歳以上の高齢者でも、点滴や酸素の投与などの治療をただちに必要としなければ、原則、ホテルでの療養としています。
上村医師は、「“第2波”では、リスクの高い感染者を原則、入院させることで、医療の提供と隔離が同時に完結していた。しかし“第3波”では、『入院できずに亡くなってしまう人を防ぐ』という最低限の目標を掲げることになった。病床に限界がある以上、入院につなげる人を絞るなど、優先順位をつけるしかない」と話しています。

【ホテル・自宅での急変どう察知】
札幌市は、ホテルや自宅で療養する人の症状悪化の兆候をいち早くつかもうと、感染者の携帯電話などを活用した健康管理のシステムを独自に導入しています。
ホテルや自宅での療養が決まった人は、特定のQRコードを案内され、専用のアプリで毎朝、体温や症状など健康状態に関する報告を求められます。
質問項目には、▼「唇が紫色になっているか」▼「座らないと息ができないか」▼「もうろうとしていないか」といった項目もあり、回答の内容次第では、ただちに入院を検討する対象になるということです。
ホテルで検討すべき対象者が出た場合は、常駐している医師などが診察にあたり、▼必要に応じて点滴をしたり、▼入院調整を始めたりします。
また、自宅にいる人の場合は、ホテル療養にただちに切り替えるなどして、医師が治療や入院の必要性を判断するということです。
上村医師によりますと、札幌市でこれまでホテルや自宅で容体が急変し、亡くなった人はいないということで、「“第3波”では、受け入れの医療機関だけで対応するのは無理であることがわかった。入院を前提とした医療の提供体制に縛られていると、必要な対策がとれなくなる。どこであっても、安全に療養できる環境を整える必要がある」と指摘しています。

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December 24, 2020 at 05:02PM
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