三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、現金自動預け払い機(ATM)を共同運営する方向で最終調整に入った。現在は個別に行っている現金の輸送や監視、障害時の対応などを共同で行い、コストを抑える狙いがある。将来はATM機器の開発で提携するほか、地方銀行などにも参加を呼びかけることを検討する。
今回の共同運営で、両行合計で年数十億円の費用削減効果を見込んでいる。2021年度中にも、ATMの現金輸送やカメラなどでの監視、警備、コールセンターなどの共同運営を始める。両行が出資して新会社を設立し、これらの業務を担うことも検討している。
三菱UFJ銀は約7000台、三井住友銀は約4500台のATMを設置している。すでに19年度から駅などの店舗外ATMでは、互いの預金者はどちらでも同じ手数料で利用できるようにしている。
全国の地銀なども参加すれば、運営コストを一段と削減できる。ある大手行幹部は「銀行同士でATMの性能や戦略を競い合う時代ではない。協力してコストを抑え、利用者にメリットを還元する方が良い」と話す。
預金者にとっては、ATMの利用方法が変わるわけではない。ただ、一連のコスト削減の効果で、ATMやインターネットバンキングを利用する際の手数料引き下げにつながる可能性もある。
低金利の長期化で、大手行や地銀の経営環境は悪化しており、ATMの維持費は重荷となっている。現金を使わずに買い物をするキャッシュレス決済やネットバンキングの利用が増え、預金者がATMを使う機会も減っており、効率的な運営が課題となっている。
近年、地銀同士が業務提携し、ATMや行内事務などを効率化する動きも広がっている。沖縄銀行(沖縄県)と琉球銀行(同)は1月、ATMの共同化などを検討する業務提携を発表した。千葉銀行(千葉県)など10行が参加する広域連携「TSUBASA(ツバサ)アライアンス」は、事務やシステムの共同化によるコスト削減を図っている。
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May 02, 2021 at 03:00AM
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【独自】三菱UFJと三井住友、ATM共同運営へ…現金輸送・警備コスト削減 - 読売新聞
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