九州運輸局鹿児島運輸支局がまとめた県内乗り合いバスの2020年度の輸送人員は、前年度比31%減の2468万2000人(速報値)となったことが分かった。前年度より1130万人減の大幅な落ち込みで、新型コロナウイルス禍による外出控えが影響した。 【写真】グラフ・乗り合いバス輸送実績
路線バス、長距離高速バス、自治体が運行するコミュニティーバスや乗り合いタクシーを含む県内68事業者が対象。昨年4月から今年3月の実績を集計した。新型コロナ下、旅行や出張など遠方への移動だけでなく、通勤・通学や買い物といった日常的な利用も減ったことがうかがえる。 うち大手数社を抽出したコロナ禍の影響調査によると、緊急事態宣言下の20年4月に前年比5割、5月には4割にまで輸送人員が下落。6月以降は回復したものの9月の前年比7割で頭打ちとなり、横ばい傾向で推移した。21年度に入っても、コロナ前の19年度と比べ、6~7割の水準にとどまっている。 県バス協会によると、敬老パスの使用状況などから高齢の乗客の落ち込みが目立つ。通勤・通学時間帯の渋滞が増えており、不特定多数と乗り合わせるバスを避けてマイカー利用へ移行したことも考えられるという。各社は利用実態に合わせて最終便の繰り上げや日中の減便など、ダイヤの見直しを徐々に進めている。
萩元千博会長(南国交通社長)は、車内の換気をはじめ感染防止対策を徹底していることを強調。「安心して乗れる交通機関だと分かってほしい。さらに利用者減が続けば、大幅なダイヤ改正や運賃見直しに踏み切らなくてはならなくなる」と訴えている。
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August 01, 2021 at 07:34PM
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