貨物だけを海上輸送 RORO船が県内初入港
トラックやトレーラーの荷台部分のみを輸送するRORO(ローロー)船が10日、和歌山下津港(和歌山市西浜)に入港し、事業者向けの見学会が開かれた。RORO船の県内への入港は初めて。
RORO船は一度に大量の貨物を輸送できる貨物船で、運転車両と貨物車両を切り離し、貨物だけを海上輸送する。トラックなどの自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さいRORO船などの船舶の利用へ転換することでドライバーの長時間、長距離輸送を抑制でき、利便性と効率性を併せ持った輸送手段として近年注目されている。
入港したRORO船は、大王海運㈱(東京都)の「第五はる丸」。全長約180㍍、総トン数1万2400㌧。貨物160台と乗用車250台を積載できる。有人トラックの乗船も可能。
同社のRORO船は、千葉中央港と大阪堺泉北港、岡山宇野港、三島川之江港(愛媛)を結ぶ航路で定期運航しており、4月ごろから和歌山下津港へのトライアル輸送(上りのみ)を計画している。
同社の曽我部雅司社長は「下津港は波も穏やかで着岸しやすく、大阪からの距離も近くて時間が読みやすい。利用者にとっても利便性のある場所」と話す。
また、RORO船は一般の船のようにクレーンなどによる貨物の積み下ろしを必要としないため、道路交通網寸断など災害時にも役立つ。二酸化炭素の排出量も陸上トラック輸送と比較して4分の1以下となる。
曽我部社長は「船便は古くからの輸送手段としてあるが、労働問題や環境問題、災害に対応できるなど、古いようで新しい」と話した。
同社は16日午前10時から午後4時まで、和歌山市の和歌山城ホール4階会議室で、事業者を対象にトライアル輸送に向けた相談会を開く。参加は無料。
申し込みや問い合わせはポートセミナー事務局(℡073・441・3156)。
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February 13, 2022 at 04:55AM
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