コロナ禍のエアライン
コロナ禍で人の動きが制限されて、航空路線が消失する現象が世界各国で見られました。程度の差こそあれ、どの国も政府が行動制限を行い、航空路線は維持が難しくなったわけです。
そのような状況の中で、コロナ禍前に比べ現在の方が輸送力を伸ばしたエアラインがあるなど信じがたいかも知れません。
英国の航空情報サービス会社シリウムは世界のTOP200社のエアラインランキングを公表しています。その中で2021年の輸送力が2019年を超えたところが14社ありました。多くはロシアのエアラインですが、ウクライナ侵攻で不確定要素が大きいため、今回は取り上げていません。
最大の輸送記録を残したのは2021年の有償旅客キロ(RPK)にて世界21位にランクインしたエアラインはメキシコの「ボラリス」です。日本には路線がありませんのでご存じの方は少ないと思います。現地スペイン語で「飛ぶ人」を意味するこのトンデモな存在のエアラインをご紹介しましょう。
ボラリスとは
2003年に創立、2006年にメキシコ国内線に初就航し、以来1億9400万人を運んでいるLCCです。最新の数字では過去1年間で3200万人を輸送しています。
この数字は日本を代表するLCCピーチ・アビエーションが就航以来7年かけて達成した数字と同程度。凄さがわかると思います。ボラリスはエアバスのA320シリーズ120機を保有しておりLCCの中でもウルトラと呼称の付く超格安ULCCとして成長。メキシコ、米国、中米、南米の 71 空港に就航し、196 のルートで毎日 557のフライトを提供しています。
2021年の年間輸送量は有償旅客キロ(RPK)で383億の記録は、2019年の数値を13%上回りました。この数字はメキシコのフルサービスキャリアのエアロメヒコを越え、メキシコ最大のエアラインという位置づけです。欧州大手のKLMの1つ下のランクで、ANAより順位は23ランクも高く、輸送力は1.74倍あります。
日本で例えれば、LCCのピーチ アビエーションがANAやJALなどの大手の輸送力を越えて日本一のエアラインになったようなものです。
メキシコのコロナ対策
各国のコロナ対策には個性が出ていました。多くの国で国境封鎖などの対応が取られましたが、メキシコではこのような対応が無かったのが大きな理由です。しかし、それだけではないはずです。さらに理由があるとみて、色々調べてみました。
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April 18, 2023 at 07:00AM
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