Wednesday, September 6, 2023

2024年問題前に「マッチングアプリ」開発、「中継輸送」促進…労働時間4割も短縮 - 読売新聞オンライン

 長距離トラックの運転手が不足し、物流が滞る「2024年問題」が懸念される中、国土交通省北海道開発局が業務効率化に取り組んでいる。発着地が逆のトラック同士が中間地点で合流し、ドライバーが入れ替わったり、荷物を積み替えたりして引き返す「中継輸送」を事業者に促進。交換する相手を探す「マッチングアプリ」も開発中だ。(柳沼晃太朗)

 2024年問題を巡っては、来年4月からトラック運転手に時間外労働の上限規制が適用される。運転手の労働時間が短縮されるため、輸送力低下の可能性が指摘されている。

 そこで注目されているのが中継輸送だ。大手から中小まで物流事業者8社が参加して、道開発局が昨年11~12月に行った実証実験では、対象の複数区間で1台のトラックが荷物を届ける「単独輸送」と比べて、中継輸送は運転手の労働時間が約4割も短くなった。

 札幌市と最北端の稚内市を結ぶ区間(約370キロ)では、中間地点の名寄市にある道の駅で、運転手がハンドルを握り替えてUターン。従来14時間だった労働時間は8時間余りに短縮され、輸送費も45%減少。さらに二酸化炭素の排出量も50%削減となり、環境負荷の低下にもつながった。

 札幌市の物流会社「ほくうん」の木引健次・流通事業部長は「広い北海道で1人の運転手が行ける範囲は限られる。悪天候時の対応や交換場所の確保など課題はあるが、効率化につながる」と効果を語る。

 時間外労働の上限規制が適用されると、日帰り運送での運転時間は片道約4時間半が限度となる見込み。札幌市からは高速道を使っても稚内市や北見市、釧路市などへの日帰り往復が難しくなる。こうした状況から、道開発局は人繰りが特に厳しい中小事業者を中心に中継輸送の導入を促し、物流サービスを維持したい考えだ。同時に、荷台の空きスペースに別の事業者が請け負った荷物を積む共同輸送の普及も進める。

 トラックやトレーラー同士が落ち合う中継地点には広い場所が不可欠で、道開発局は全国最多127か所ある道の駅に加え、各地で除雪作業の拠点となる「除雪ステーション」に注目。ニセコ町などで除雪ステーションを中継地点にする実験も新たに始めた。

 運転手や荷物の交換を円滑に行うアプリの開発も進める。運転手がスマートフォンで輸送区間などの条件が合致する相手と出会える仕組みで、車両の位置や渋滞・事故といった情報もリアルタイムでわかるシステムも搭載を検討するという。

 国土交通省が21年に実施した全国の事業者向け調査では、中継輸送を実施しているのは16%にとどまったが、「今後やる予定はある」「興味はある」との回答は4割を超えた。

 一方、事故が起きた場合の保険適用や荷崩れ対策の取り決めなど、複数の事業者が連携する上での課題も指摘されている。道開発局は今後、オホーツク地方などにも実験の対象エリアを広げる。課題も踏まえて具体的な普及を進める考えで、3月に事業者や自治体、学識者との新たな研究会を設けた。

 道開発局は「2024年問題は全国共通の課題。移動距離が長い北海道だからこそ、率先して取り組みを進めたい」としている。

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September 05, 2023 at 06:12AM
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