Saturday, January 13, 2024

熊本のトラック輸送、適正運賃へ「荷主も理解を」 Gメン、不当な取引監視【「運ぶ」が変わる・2024年問題くまもと ... - 熊本日日新聞

 トラック運転手などの残業規制強化が4月に迫る。これに伴い、人手不足がサービスや価格、働き方などに大きな影響をもたらす「2024年問題」は、さまざまな業界の喫緊のテーマだ。物流業界では、輸送力が低下して物や人を運べなくなる事態も懸念される。熊本県内の事業者の現状を追った。

 23年12月中旬、益城町。熊本運輸支局の「トラックGメン」が熊本交通運輸の本社を訪ねていた。適正な取引を阻害する荷主企業がいないか、情報収集するためだ。同社の住永金司会長は「徐々にではあるが、荷主にも問題意識が広まりつつある。ただ、業種による濃淡もある」と応じ、現状を伝えた。

 トラックGメンは国土交通省が23年7月に創設。他産業と比べて労働時間が長い上、低賃金で担い手不足が課題となっているドライバーの労働環境改善につなげるのが目的だ。熊本運輸支局の田村正宜・首席運輸企画専門官もその1人で、「以前は電話や投稿を受けてから動いていたが、今は積極的に事業者の元へ足を運ぶ」と力を込める。

 Gメンは現在、24年問題対策の一環で全国に162人、うち熊本運輸支局に2人がいる。「運送事業者だけで解決できないのが24年問題だ」と田村さん。国交省によると、運送事業者の法令違反につながるおそれのある、荷主の「違反原因行為」には、長時間の荷待ちや、依頼になかった仕分けといった付帯業務、過積載の要求などが目立つという。

 さらに、運賃・料金の不当な据え置きもある。国交省は20年、運送事業者が法令を守って事業を続けるのに参考となる「標準的な運賃」を、車種や距離に応じて全国10ブロックごとに示した。23年12月には、同省の有識者会議が、運賃を平均8%引き上げるべきだとする提言をまとめたが、熊本県トラック協会は「そもそも実際に支払われる金額は、いまだ標準的な運賃と大きな差があるのが実情」と訴える。

 標準運賃に照らすと、常温の10トントラックで熊本から東京まで運んだ場合は約29万円。だが、ある県内事業者は「今の相場は、割高になるはずの冷蔵車でも18万~26万円くらい」と打ち明ける。元請け会社に標準運賃が支払われている場合でも、「実際に走る下請けは、手数料を引かれた価格で受けている。多重下請け構造も要因だ」。

 県トラック協会によると、会員760社の約7割を、車両保有台数が20台以下の中小事業者が占め、物流を支えている現状がある。しかし、高齢化や人手不足、さらに新型コロナウイルス禍もあり、ここ3年間で約70社が廃業や倒産に至ったという。20代のドライバーは全体のわずか7%とのデータもある。

 変革が求められる中、同協会と県内の経済団体や農林業者の団体、行政機関などは23年12月、価格転嫁の円滑化に関する協定を結んだ。物流の停滞は地域経済全体に影響を及ぼすことから「標準的な運賃」の促進に向けて連携を強める。

 下川公一郎・県トラック協会長(城東運輸倉庫社長)は強調する。「24年問題は長年の商慣習を変えるチャンスと捉えている。全体の輸送能力が減る中、適正な運賃以外の仕事は後回しになるというリスクを荷主と共有したい」(立石真一)

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January 14, 2024 at 06:02AM
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