混載便コンテナを運ぶ井本商運の海上コンテナ船
運送業のツバメロジス(新潟県燕市)は、新潟―九州の海上コンテナ輸送で小口混載便サービスを始めた。大型コンテナに小口の貨物を混載して輸送する。トラック輸送に比べ二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、共同配送でコストが下げられる利点もある。「2024年問題」を控え、貨物量が少ない中小企業などでも海上輸送を活用しやすい体制を整える。
航路は、22年に井本商運(神戸市)などが開設した新潟港―北九州(ひびき港)と、23年に鈴与海運(静岡市)などが開設した新潟港―北九州(門司港・博多港)。ともに現在は週1便を運航しており、小口混載用にツバメロジスがコンテナ1本を手配し運用する。貨物は集荷代理契約を締結する同社が集荷する。
内航船のコンテナ輸送で小口混載を実施するのは全国で初めてという。試験輸送として、2月29日にサカタ製作所(同県長岡市)の建築金具部品が九州に向け出航した。
トラック運転手の時間外労働が制限される2024年問題や脱炭素を背景に、物流に鉄道や船舶を利用するモーダルシフトが進んでいる。ただ、「海上や鉄道コンテナを貸し切るほどの貨物量はなく、モーダルシフトが進まない中小企業も多い」とツバメロジスの山田剛弘社長はいう。
内航船の小口輸送第1弾として、サカタ製作所の建築金具をコンテナで海上輸送する(新潟県燕市)
同社が本社を置く燕三条地域でも、金具や包丁、キッチン雑貨の生産が盛んだ。「こうした製品を一つのコンテナに取りまとめて共同輸送すれば、コストも下がり環境にも優しい」(山田社長)。貨物は新潟県内のほか長野や山形、群馬など近隣県からも集荷する。大型の40フィートコンテナ1本を使用し、最大20社程度の貨物を混載できるという。
トラック運送に比べ最大4割安
新潟―九州間の海上輸送によるCO2の排出量は、荷下ろし後の配送を含めても、トラック輸送の5分の1に抑えられる。海上運送期間は約1日半で、価格は1パレット1トンまでが2万5000円から。段ボール10箱以上の場合、トラック運送よりコストが安くなり、積載量や混載する企業数が増えれば最大で4割安価に利用できる。
一連の取り組みは新潟港の活性化にもつながるとみる。新潟港は太平洋側の大型港湾に比べ貨物取扱量が少ない。車両の待機時間が短く、スムーズにコンテナを搬出入できる。新潟港よりも海外航路が多い九州を経由することで、新潟港から世界へ輸出する新たなルートとしても活用できる。
一方、海上輸送は天候や港の混雑状況によって遅延することもある。集荷から港湾までの配送、搬出入の時間も含めると、トラックに比べリードタイムは長くなる。
ただ、人手不足を背景とした物流危機が叫ばれる中、速さだけを求める物流から「確実に荷物を配送したり、脱炭素への貢献を重視したりする企業が増えている」(同)。災害による道路や鉄路の寸断など、事業継続計画(BCP)の観点からも海上輸送を検討する企業は今後増えると見込まれている。
(斉藤美保)
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March 05, 2024 at 03:00AM
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新潟―九州の海上輸送で小口混載 少量でもトラック→船 - 日本経済新聞
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