ジャパンマテリアルは半導体材料ガスの輸送について、トラックと貨物鉄道を併用し長距離輸送を行う「モーダルコンビネーション」を本格的に採用する。月1便の実証段階から移行し、2024年度内に月2便にする予定。同社の試算では、同じ量をトラックのみで運んだ場合と比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を55%削減できる。また「物流の2024年問題」にも対応し、持続可能な物流体制を構築する。
モーダルコンビネーションは国内初の取り組みとしており、JR貨物、日本トランスシティと共同で実施する。トラック輸送の一部を鉄道に置き換え、二つの輸送手段を併用。それぞれの特性を生かしながら、脱炭素やトラック運転手不足、燃料費の上昇などの課題解決につなげる輸送方法だ。
3社は23年6月から約9カ月間にわたりトライアル輸送を実施。主要顧客の半導体工場が立地する三重県と岩手県の間で月に1便輸送した。輸送時の温度変化や振動などの検証を続け、問題がないことを確認できたことから本格運行に移行した。
総輸送距離は約970キロメートルで、このうち800キロメートルを鉄道で輸送。残る170キロメートルをトラックで運ぶ。輸送に必要な時間はトラックのみによる輸送と、ほぼ同じという。今後、輸送量全体の15%程度を今回の方法で輸送する方針。半導体製造に必要なガスや薬品などをより安全に輸送できるため、サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化にも寄与する。
このほど、本格運行の第1便の出発式をJR貨物の四日市駅(三重県四日市市)で実施。約26時間かけて岩手県の輸送先の最寄り駅となる水沢駅に到着し、トラックに移されて輸送を終えた。ジャパンマテリアルの田中久男社長は「近い将来、全国ネットで半導体産業用の新たな物流網が構築されると期待している」としており、ガス以外の部材の輸送についても鉄道網利用に前向きな考えを述べた。
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March 26, 2024 at 04:04AM
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