SF映画についてだらだらと語るというテーマで制作された「ミッドナイトトークマガジン(0:00 midnight talk magazine以下、0:00)」は200部のみの少部数発行の自費出版物、いわゆるジン(ZINE)だ。新潟在住の美術家・飯塚純さんと、東京在住の写真家・龍崎俊さんと鈴木理恵さん夫婦、そして新潟在住のデザイナー2人の計5人で制作されている。新潟と東京という離れた距離でジンを作り始めたのは、「東京アートブックフェア(TOKYO ART BOOK FAIR以下、TABF)」がきっかけだったという。飯塚さん、龍崎さん、鈴木さんに、創刊の経緯とジンという発行形態にこだわる理由を聞いた。 【画像】“なんとなく”を続けたその先に アートブックフェアでの偶然の出会いが生んだ「ミッドナイトトークマガジン」
アート出版に特化して2009年にスタートした日本で初めてのブックフェア「TABF」は昨年10周年を迎え、回を重ねるごとに盛り上がりを見せている。第1回目は、アイオブジャイル(EYE OF GYLE、現ジャイルギャラリー)とヴァカント(VACANT、2019年に閉業)の2会場で100組にも満たないアーティストや出版社、ギャラリーが集うイベントだったが、近年は約350組が出展し、来場者は2万人以上というビッグイベントとなっている。出版物の売買だけでなく、アートブックにまつわる展示やトークイベント、紙や印刷のプロによるプリンターセクション、フードトラックなどによる飲食コーナーなどもあり、まるでフェスのようだ。近年は台湾や上海などアジア圏のアートブックシーンが活気づいているが、「TABF」は現在アジアで最大規模のアートブックフェアであり、その文化をけん引する存在ともいえる。
そんな「TABF」をきっかけにジンと呼ばれる自費出版物に興味を持ったり、ジンを作り始めたりと、新たなコミュニティーが生まれて出版物に発展するケースは多々あると思う。今回紹介する「0:00」も、「TABF」で出会った作家同士の交流で生まれたジンだ。
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July 26, 2020 at 06:00PM
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