Friday, August 7, 2020

遠藤保仁、“楽しんだ先”の632試合目 遊び心もすべてはサッカーのため - スポーツナビ

 練習グラウンドに遠藤保仁はいつも早くやってくる。

 コンディショニングの観点から夏でも長袖のトレーニングシャツやジャージを用意してもらっている。練習前のストレッチは入念に。数年前からヨガを取り入れているとあって、呼吸を強く意識するという。

「胸の奥まで空気を入れて、酸素を多く体内に取り入れることで体の可動域も広がっていくし、それがケガ予防にもなると思っていますから。練習後のストレッチでも意識してやっていますね」

 ウオーミングアップはボールと戯れながら。1日1日ちょっとずつ違うボールの感触を確かめながらチューンアップを済ませる。

 全体トレーニングに入れば、そこは勝負の場と捉える。40歳のベテランだろうが、18歳のルーキーだろうが年齢は関係ない。

「日本代表で試合をやってクラブに戻って(練習メニューを)軽くしてもらったことはありましたけど、練習で今の自分の100%を出さないと監督に認められないし、そこはずっとやっていること。試合よりも練習する時間の方が圧倒的に長いわけじゃないですか。試合のパフォーマンスを上げていくには、やっぱり練習なので。

 年齢のことは別に隠そうとも思わないですよ。すべてはフィールド上で決まると思っていますから。若い選手よりいいパフォーマンスを出していけば、おのずと試合にも出ると思うし、試合に出たら出たで違いを見せていけばいいだけのこと」

倉田秋「紅白戦でヤットさんが相手にいると今でも嫌」

 飄々(ひょうひょう)と見えるが、それはいつも接するチームメートが一番よく分かっている。

 倉田秋は言う。

「紅白戦でヤットさんが相手にいると今でも嫌ですね。こちらからしたら一番嫌なことをされる。ここにパス出されたら嫌やなと思った瞬間に、的確に出してきますから。あのサッカーセンスはホント、ヤバいっす(笑)」

 次の試合に向けてコンディションを上げて、センスを見せて、勝負の場で出し切れば終わりではない。練習後、グラウンドの外周を黙々と走るのはおなじみの光景だ。

 東口順昭は言う。

「もうずっとやってますもんね。ブレへんなって思いますよ。普通、選手って調子が悪かったり、試合で負け込んだりすると、ルーティンを変えたくなったりするじゃないですか。僕だってそうですよ。“これを続けていいんだろうか”って不安になってしまいますから。でもヤットさんはきっとそういうことも思ってない。あれだけ長く、同じことをコツコツ続けられるってすごいと思います」

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