Friday, August 21, 2020

<試写室>先を読ませず、騙しつつ…だけど最後その“不安定”が解放されると、本当の百合亜が現れる - フジテレビュー!!

「最後にあなたと一つになりたい…」

おじさんの妄想爆発しちゃってたよ!あぁ恥ずかしい!

先週の最終回予告で百合亜(桜庭ななみ)が放った衝撃のこの一言に、僕は、

 “百合亜の「セックス知ってる」問題”が掘り下げられそうです。怖いよ!

…なんて、大興奮しちゃってましたが、あぁ恥ずかしい。ただの大妄想!

だってさ、あの映像、百合亜が監禁されてた時、つまり過去映像だと思ったんだもん。さらに言い訳がましいですが、百合亜の格好が、監禁時のファンシードレスだったのがそうミスリードさせたし、しかもキスまでしちゃう!?って映像だったから、まさか今、キスしちゃう!?ってまでの発想はしないじゃないですか?あー騙されたー!!

…ってそう妄想してたの、僕だけ?僕、結構危ない人なのかな?…なことはいいとして、そんな想像してたエグい展開になるはずもなく、だからといって、チェッ!なんだよ!騙しやがって!な、肩透かしなんてこともなく、まさか「最後にあなたと一つになりたい…」って言いつつ、キスまでしちゃう?!が、百合亜の“13年間”を、“解放”へと導くキーになっているとはね…。しかも、なぜ、今、百合亜がファンシードレス着てたのか?にもちゃんと気持ち悪いオチまで付け加えられて…。むしろ、騙された!うまい!の方で、唸っちゃいました。

で、前回、黒川一樹(藤森慎吾)が新たに起こした女児誘拐事件の真相は結構どうでもいい…とまで言っちゃった自分、ぶん殴りたいです!!

『13』の(左から)相川百合亜(桜庭ななみ)、黒川一樹(藤森慎吾)

前半に繰り広げられる“レイカちゃん救出大作戦”のスリリングさたるや、先週までの不気味で何が何だかわからない怖さで支配していた『13』とは、まるで別作品を見ているかのような王道のエンターテインメントに仕上がっています。

『13』の(左から)川百合亜(桜庭ななみ)、田辺佐緒里(遊井亮子)

田辺先輩(遊井亮子)の揺るがないドSっぷりと確かな刑事能力、永井くん(青柳翔)のいつもの使えなさからの大逆転、やっぱり腹立つ広岡さん(久ヶ沢徹)が偉そうにしてるうちに取り逃がすという大チョンボ…と、これまで培ってきたキャラクターの集大成がこの場面に全て詰めこまれているわけですが、なんと言ってもここでのハイライトは、黒川はどこから現れたのか?…です。

『13』の(左から)永井敏彦(青柳翔)、相川百合亜(桜庭ななみ)、相川麻美(板谷由夏)

レイカちゃん解放の取引として、黒川が指定したあのショッピングモールへ向かった百合亜なんですが、ふとした瞬間、何かを思い出し、“あの場所”へ向かうのです…。ヒントは、僕が一人で勝手に興奮した挙句、大混乱に陥ってしまっていた、あの黒川との“ラブラブ写真”です。

まさか、ずっと気にしていた“ラブラブ写真”を伏線にして、“あの場所”から黒川が登場するなんてね…。現れた瞬間、警察どこ張ってた!とかそういうツッコミもぶっ飛んで、その伏線のうまさと導き方、そして何より黒川の気持ち悪さに、悲鳴上げちゃいます。ご注意。

また、百合亜は黒川に対してどんな感情を持っていたのか?今はどんな感情なのか?何より監禁されていた13年間、何があったのか?何がきっかけとなったのか?抜け出した今の百合亜は何を思うのか?…その真相解明がなされるわけですが、過去と今との感情が交錯し、その現れとして“不安定な表情”で演じ続けた桜庭ななみさんのおかげで、視聴者に先を読ませず、騙しつつ、だけど最後、その“不安定”が解放されると、“本当の百合亜”が現れる…という美しい展開をみせるのです。

『13』の相川百合亜(桜庭ななみ)

彼女の13年間、監禁された生活で、その後も混沌とした感情になっていたけれど、だけどそんな中でも一人の強い女性としてしっかり成長し、未来へ歩き出すことができた…そんな、素敵な最終回に仕上がっております。最後の最後、ラスト5分までちっとも終わる気配を見せない緊迫感満載なので、最後の最後までお見逃しなく!

だけど最後にちょっと納得いってない部分、言っちゃいますね。それはね、なんだか爽やかな結末を迎えた、失踪当時のボーイフレンドだった渉くん(井上祐貴)との関係なんですよ。これについては、是非、婚約者ミサ(高月彩良)とラブバトルを繰り返す、セカンドシーズンが見たい!13年間の監禁生活で培った百合亜のサバイバルラブテクニックと、天然ナチュラルラブハンターのミサとの激しい愛の攻防戦。ミサちゃん、あんなちょっとの出番しかなかったのに、ミサという役を完全に自分のものにしてたし、ただモノじゃないオーラ半端なかったよね。だから百合亜と対峙しても全く見劣りしないし、いい勝負すると思うんですよね。その二人の間でアタフタしまくる渉くん…絵になると思いません?

あとママ(板谷由夏)と失踪時の担任教師・岸先生との関係性ももっと知りたいところ。なんせ、ママは板谷由夏さんだから、とんでもなく生々しいドラマになると思うし、何よりパパは神保悟志さんじゃん、存在してるだけでドロドロじゃん!妹(石川瑠華)もなんだかそっち方面(どっち)得意だと思うんだよねー。その攻防戦も見てぇー。だからそれはエピソード0的な感じかな。あとその流れで、切なすぎたユウくんと百合亜の交流も、辛すぎるとはいえ、もっと見たいよね。脚本はもちろんそのまま、僕の大好きな浅野妙子先生で、ラブバトルも不倫ものも激情ものも名作しかないから、絶対面白いと思うんですよ?どうでしょう?東海テレビさん?

ただ、その場合、サントラも是非引き継いで欲しいんだけど、耳からどうしても離れない「ショ~~ティ~~~~~レ~~~~ン♪」を流しちゃうと、全く意味合い変わってきちゃう不気味なドラマになっちゃうんだよなー。その辺どうするか…おいおい考えましょう!

っということで来週スタートの新ドラマは…『恐怖新聞』?

ホラー?怖い怖いってずっと言い続けてた「オトナの土ドラ」で、マジの怖いやつやっちゃうの?全方向“怖い”狙ってるのかよ、やっぱりこの枠、見逃せません!

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)

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August 21, 2020 at 05:10PM
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