【ホテル総支配人リレーインタビュー】第1回 パレスホテル東京総支配人 渡部勝氏
- 2021年1月11日(月)
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新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を受けての臨時休館、Go Toトラベル事業による回復と一時停止による急ブレーキ。宿泊業界にとって2020年は非常に浮き沈みの激しい年だった。本企画では、コロナに翻弄された1年を乗り越えてきた日本各地のホテルの総支配人に、コロナ禍中での取り組み、そしてコロナ後に向けた戦略をリレー形式で伺っていく。第1回はパレスホテル東京の総支配人、渡部勝氏。ラグジュアリーホテルとしての地位を確立したパレスホテル東京が目指す、これからのホテルの姿とは。(インタビュー実施日:2021年1月5日/聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
-まずパレスホテル東京並びにご自身のご紹介をお願いいたします
渡部勝氏(以下敬称略) 1947年にGHQの指令を受けて開業した国有国営の「ホテルテート」がこの地でのホテル業の始まりです。旧帝室林野庁(現林野庁)の石造りの庁舎をリノベーションしたホテルテートは12年ほどで役割を終えてクローズしましたが、当時東京會舘で社長をしていた吉原政智が出資を募り、1961年に「パレスホテル」が誕生しました。
以来、丸の内に軒を連ねる銀行や商社などのビジネス需要をメインターゲットに営業を続けてきましたが、2009年、50周年を目前に時代のニーズに応えるホテルに生まれ変わるために建て替えを行い、2012年に「パレスホテル東京」としてリニューアルオープンしました。
私は1987年に新卒として入社しました。接客業に興味があり、当初は百貨店を志望していたのですが、縁があってこちらで働くことになり、そこからどっぷりホテルの世界に漬かりました。まずはベル、ハウスキーピング、レストランのウエイター、バンケットのウエイターとジョブローテーションを4年経験。その後マーケティングの部署に配属され、そこから本格的にオペレーションや営業を学んでいきました。
リニューアルの際はプロジェクトの一員としてプランニングを任されました。リニューアルと言っても、元々のDNAの水平展開ではただ建物が新しくなるだけです。丸の内も時とともに姿を変え、ビジネスだけの街ではなくなりました。新しい時代にふさわしいホテルとなるために、創業以来のコンセプトから脱却し、ビジネスからライフスタイルへ、企業だけでなく個人の方へもアプローチしていこうと決めました。インバウンドが増え始めた時期でもあり、良い時流に乗ることができたと思います。
私生活では、以前は会社の仲間とテニスをしたり、食べ歩きをしたり、映画を見たりという時間の過ごし方でしたが、今はホテルという仕事自体が趣味になっていますね。旅することと食べることが好きなのでさまざまなホテルや旅館に泊まりますが、常に置いてあるものを観察したりオペレーションを意識したり、結果、仕事のインプットになってしまっています(笑)。
現在はホテル住まいで、9年目になりますが、やはりホテルにいる間は緊張しているのか自宅や旅先の方がぐっすり眠れます。ですが何かあっても対応できるという安心感がありますし、何よりこの場所が好きなんです。ただひとつ心配なのは、今の時代若いスタッフに「こんなにホテルにいなければならないんだったら総支配人にはなりたくないな」と思われないかなということですね。
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January 11, 2021 at 09:43PM
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