――おふたりはコロナ禍でも精力的に活動されていますね。それぞれ肩書は違いますが、社会をよりよくしようとしている点は共通しているように見えます。
龍崎翔子(以下、RS):実は私、これまでのビジネスでもずっと、他者のために行動してきたという意識はないんです。自分たち自身が救われたいという思いが常にどこかにあって、ビジネスを通じてその課題を解決していた感覚のほうが強い。 たとえば、今年4月に「未来に泊まれる宿泊券」というサービスをリリースしました。これは、宿泊施設を先払いで予約できるプラットフォームで、コロナショックの影響で休業したり、お客さまが減少したりした宿泊施設が事前決済によってキャシュフローを得られる、というシステム。 そもそもは、私たちのホテルが生き延びるためにこのサービスが必要だから始めたんです。そのうえで、ほかにもこのサービスを必要とする人がたくさんいるはずだから、プラットフォーム化しました。 石山アンジュ(以下、IA):私も同じ考え方です。シェアリングエコノミーの普及は、世の中をよくするための利他的な活動というより、自分たちの生存戦略のひとつ。 「シェア」とは「助け合う、支え合う、必要な物を持っている人とそれを必要としている人をつなげる」という概念のこと。自分がより心地よく生きていくためには、シェアこそが新しい時代の幸せのキーワードになると思っているんです。
――石山さんは厚生労働省・経済産業省・総務省などの政府委員も務めるなど、日々、幅広い世代の価値観に触れています。世代間の価値観の違いは感じますか?
IA:私たちの世代と少し上の世代の人たちとで大きく違うのは、上の世代の人たちは仕事とプライベートの顔が分かれていて、ビジネスとして実行することと、自分自身の生活や生存戦略のための行動はひもづいていないこと。上の世代の方たちが私たちの世代の活動に興味関心を示して、連携しようと声をかけていただくことも多いです。 でも、それを自分自身の生存戦略として捉えているかというと、少し違うんだろうなという気がしています。それは、社会の制度やシステムが問題なく機能していた時代に生きていた経験があって、特に何かを変えなくても自分の人生に支障は出ないという感覚があるから。 一方、私たちの世代は、少しでも社会を変えないとこの先何十年も生きていくのは厳しいという危機感がある。だから、ビジネスと生存戦略は同一なんです。 RS:ソーシャルグッドなビジネスをしたり、新しい価値観を世に提示したりすることがカッコいい、という感覚が同世代のなかにある。ボランティアや自己研さんに価値が見いだされた時代もあったけれど、今は、世の中の役に立つことをビジネスにしやすい時代ですよね。 IA:ビジネスにおける“成功”の定義が変わってきている。これまでは利己的な動機と競争が経済社会を成長させてきたけれど、今は、みんなで一緒に幸せになればいい、という考え方が浸透し始めている。 龍崎さんも、自社でホテルを設立しつつ、いろいろなセクターと手を組みながら事業を立ち上げるなど、他社と協業しながらお互いに自己実現する方法を模索していますよね。 RS:そうですね。誰かをライバル視するとか、人を蹴落としてまで成功しようという意識はない。私たちの世代はビジネスが細分化していて、それぞれの原点もターゲットも違うからかもしれません。
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January 03, 2021 at 06:20PM
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社会活動家・石山アンジュとホテルプロデューサー・龍崎翔子が対談 「コロナ時代に考える“豊かさの新しい指針”」(ハーパーズ バザー・オンライン) - Yahoo!ニュース
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