名古屋鉄道は27日、来年春ごろをめどに運賃を値上げする方針を明らかにした。全区間が対象で平均10%程度を想定。初乗り運賃は現行の170円から180円への改定を見込む。ただ、通学定期券は家計への負担増を考慮し、据え置く方向で検討する。運賃改定の申請に向けて準備を進めていく。消費税率の変更を除くと、1995年以来の運賃改定になる。
名古屋市内で開いた記者会見で高崎裕樹社長が説明した。値上げの理由には、テレワークなどの定着によって輸送需要が新型コロナウイルス禍前の水準に戻らないこと、電力料金や資材価格の高騰などによる経費増加の懸念などを挙げた。特に通勤定期の回復率がコロナ禍前の2018年度と比べて「85%程度のところでずっと横ばい」と述べた。コスト削減を進めているが「安全、安心、安定輸送の確保に必要な設備更新に加え、社会環境の変化に合わせた投資が必要不可欠」と運賃改定の目的を語った。
名鉄によると、95年の運賃改定は地方で不採算路線を多く抱えていたこと、都市部で積極投資を行ったこと、バブル崩壊で輸送人員が91年から減少に転じたことが理由。
高崎社長の説明と質疑の要約は以下の通り。
「運賃改定の検討について。当社が主な事業エリアとしている中京都市圏は、三大都市圏の中で比較すると、人口密度が低く、マイカー保有率が高い。鉄道事業は厳しい環境に置かれている。こうした中、1995年の運賃改定以来、消費税率の変更に伴う運賃改定を除き、運賃を据え置いてきた。
だが、コロナ禍でテレワークなどの新常態の定着により、本年度2月までの輸送人員はコロナ禍前の18年度の同じ期間と比べ、8割台の回復にとどまっている。今後もコロナ禍前の水準には戻らないと思われる。また、電力料金や資材価格の高騰による経費増加といった懸念もあり、厳しい状況は今後も継続することが想定される。
これからも鉄道事業を継続し、長く社会に貢献していくためには安全、安心、安定輸送の確保に必要な設備更新に加え、社会環境の変化に合わせた投資が必要不可欠。当社としても、構造改革による経費削減など経営努力に継続して取り組んでいるが、不足する費用の一部について、お客さまにご負担をお願いしたく運賃改定の申請に向けて準備を進めていく。
ご利用のお客さまには、ご負担をおかけしますがなにとぞご理解をいただきたく、お願いします」
―この区間では何円値上げする、といった具体例はあるのか。
「まだ運賃がどう上がるかという詳細はこれからだが、できるだけ公平に負担いただくということを考えている」
―このタイミングで表明した理由は。消費者の負担になるが、どう理解を得ていくか。
「コロナ禍で受けた影響が、鉄道事業者として大きなものだった。われわれも事業の構造改革を進め、経費削減に取り組んできたが、今後も引き続き、安全面や、社会から望まれるサービス水準にきちんと応えるためには、運賃改定の準備に踏み切らなければならない。もちろん、物価高騰の局面にもある。世の中のあちこちで大変な状況にあるが、通学定期は据え置きでいく。ご負担をおかけするということで心苦しいが、サービスの向上に努めて参りたい」
―コロナ禍前の8割の水準と言っていたが、これ以上、回復しないのか。
「通勤定期のお客さまが戻っておらず、横ばいが続いている。85%程度のところでずっと横ばい。ただ、定期外のお客さまは、徐々にコロナ感染の波を受けながらも戻ってきている。最近は感染状況が落ち着く中で、あるいは社会経済活動の制限が取れてきた中で、鈍いながらも戻ってきていると理解している。来年度は9割ぐらいの回復を想定している」
―運賃改定で、どのぐらいの増収を見込んでいるのか。これまでのコスト削減の取り組みや新たに取り組んでいくことは。
「増収額は、ちょっとこれはご勘弁いただきたい。コスト削減の取り組みは、有人駅の勤務短縮や無人化であるとか。今後の取り組みはワンマン化。路線によってはワンマン化を進めていきたい。あとは、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の効率化。そういったことを継続的に行っていきたい」
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March 27, 2023 at 05:20PM
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名鉄が値上げへ 来年春に平均10%程度 輸送需要がコロナ禍前に戻ら ... - 岐阜新聞
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