Wednesday, December 20, 2023

長時間労働の限界 「2024年問題」とトラック輸送 | | 八代尚宏 - 毎日新聞

 物流の「2024年問題」が間近に迫っている。

 24年4月1日以降、トラック運転手の残業時間が年間960時間以内に制限される。この結果、生産活動の制約や価格の上昇が起きる懸念がある。

 日本の21年度の国内貨物総輸送量は約43億トンで、これに輸送距離を加えると4050億トンキロになる。このうち、トラックの輸送分担率はトンベースで約9割、トンキロベースで約5割を占めている。

 トラック事業の従事者は約86万人で、50歳以上が49%を占めるなど高齢化が進んでおり、女性の比率は3.5%と著しく低い。

 大型トラック運転手の年間労働時間数は、22年で全産業平均の2124時間に対して2568時間と21%も長い半面、平均年収は全産業平均の497万円と比べて477万円と少ない。

 ここで残業手当が抑制されれば、他の業界への転職が増える恐れもある。運転手の労働時間の減少で、トラックで輸送できる貨物量が減少すれば、物流コストの上昇からさまざまな値上げは避けられない。

 なぜ、こうした余計な規制を政府が行うのかという不満が生じるかもしれない。

なんでも「翌日配達」は過剰サービス

 しかし、際限のない残業労働に一定の制限を課すことは、労働者の健康維持と事故の防止のために不可避であり、19年に初めて残業時間の上限規制が導入された。医師など一部の職種で、例外的に、その適用が5年間猶予されていたに過ぎない。

 これまで安易に長時間労働に依存してきたトラック業界に対応が迫られている。

 残業時間規制のためのコストの一部は利用者側も負担せざるを得ない。

 とくに、急増している宅配便については、…

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