Wednesday, November 22, 2023

食品メーカー、物流で連携 子会社統合、共同輸送で業務効率化 佐賀市諸富町に物流センター置く運送会社F―LINE - 佐賀新聞

荷役台の規格を統一するなど積載率を高めるための工夫を視察する関係者=佐賀市諸富町の佐賀バルク物流センター

佐賀労働局が先進例として視察した物流会社「F-LINE」。担当者がトラックの予約システムの導入事例などを説明した=佐賀市諸富町の佐賀バルク物流センター

 来年4月に時間外労働の上限規制が強化される物流業界では、人手不足や輸送能力の低下が危惧される「2024年問題」への対応が喫緊の課題となっている。佐賀市諸富町に物流センターがあり、味の素など食品メーカー5社の輸送を担う運送会社F―LINE(本社・東京)は、荷主企業との協力体制整備も含めた働き方改革が進んでいるとして注目されている。

 同社は食品メーカーの味の素とハウス食品グループ本社、カゴメ、日清製粉ウェルナ、日清オイリオグループが「競争は商品で、物流は共同で」という考えの基に、各社の物流子会社などを統合して2019年に設立した。商品を共同輸送して効率化を図っている。佐賀市の物流センターでは主に味の素の原料品を扱い、九州内と愛媛県への配送を担う。

 労働環境の改善に取り組みやすくするため、荷主企業と月に1度、状況共有のための会議を開いている。残業規制の強化に備え、22年にデジタル上で配車管理を行うシステムを導入。入荷先で荷物を待つ時間が減って円滑な積載が可能となり、ドライバーの拘束時間の短縮につながった。輸送の一部にフェリーを利用する「モーダルシフト」も同年に導入している。

 佐賀労働局は16日、改革事例を県内企業に取り入れようと、同社のセンターを視察した。取り組みについて聞き取りを行い、荷主企業の味の素と佐賀運輸支局、県トラック協会を交えて意見を交わした。

 「業務効率化に伴うコスト上昇をどう吸収しているのか」という質問に対し、F―LINE常温本部九州支店の藤原隆広センター長は「自社だけでは厳しい。荷主企業に理解して協力いただいている」と説明した。味の素企画部の安部(あんべ)義弘さんは「荷主にも供給責任がある。今後も課題を共有しながら、できる限り協力し合いたい」と述べた。

 センターの倉庫内も見学し、荷物を積載するパレット(荷役台)の規格を統一してトラックの積載率を高める工夫などを確認した。重河真弓佐賀労働局長は「(2024年問題に対応しないと)荷主にとっても荷物が運べない、送ってもらえないということにつながる。運ぶ会社やそこで働く労働者のことも考えて、ウィンウィンの関係を築いてほしい」と荷主企業への理解を促した。

 F―LINEは、働き方改革に向けて積極的な取り組みを行っている「ベストプラクティス企業」に、佐賀労働局から認定されている。(小島発樹)

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November 23, 2023 at 04:30AM
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