「ブティックホテルは、オーナー色が強くコンセプトが明確で、クリエイティブに力を入れていて、一般的にはアッパーミドル以上の価格帯のホテルのこと」と木下さんが説明すると、野尻さんは「インターナショナルゲストが多いのも特徴だよね」と付け加える。
さらに小南さんは「スタッフのユニークさ」も重要と言う。マニュアルに従って動くのではなく、スタッフの裁量でゲストに接するからこそ、ホテル自体の個性が際立ち、リピートするようなファンを獲得できるのだ。
対してライフスタイルホテルとは、グローバル展開しているホテルチェーンが、多様化するユーザーのニーズに対応できるようにブティックホテルに倣って生み出したカテゴリーのこと。「スニーカーを履いたクリエイターが、スーツに革靴のビジネスマンが集うラグジュアリーホテルにはない居心地の良さを得られるホテルですね。ホテル側がゲストのスタイルに合わせていった結果です」と木下さん。
「ライフスタイルホテルはホテルチェーンの1カテゴリーだから、やはりマニュアルで運営せざるを得ない。そこがインディペンデント系のブティックホテルとの大きな違いです。でも、日本はブティックホテルとライフスタイルホテルを混同しがちで、世界の認識とずれてしまっているんですよ」
世界のホテル事情を知り尽くしているからこそ見えてくる、世界と日本の違い。野尻さんをはじめとするTRUNKのチームは、情報をアップデートし、ホテルづくりのアイデアをインプットするため、定期的に海外視察に出かける。
視察するホテルは、自分たちでリサーチしたり、地元のヒップスターたちから情報を募ったりしてリストを作成。それをスタッフで手分けして毎日違うホテルに泊まり、空いた時間で泊まっていないホテルを巡って、1回の視察ツアーで最低でも合計50軒以上回るのだという。
「プロダクトチームはバスローブとかシーツを、内装チームは壁とかの手触りをこっそり確認してる(笑)。ホテル1軒につき視察は10分程度だから大急ぎだよね」と野尻さんが言うように、スケジュールはかなりハードだ。
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January 27, 2020 at 08:00AM
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