大阪育ちのヒラメ、特急輸送で百貨店の店頭へ - 産経ニュース

ヒラメが入った保冷箱を特急からおろす南海電鉄社員＝大阪市の南海なんば駅

大阪府岬町で陸上養殖された大阪育ちのヒラメが特急電車で運ばれ、大阪市中央区の高島屋大阪店の名物企画「大阪ええモン」で目玉商品として販売が始まった。水産会社と鉄道会社、百貨店が連携し、いけすから取り上げた鮮度抜群のヒラメが数時間後に店頭に並ぶ。都市近郊の農水産物の新たな流通手法としても注目される。

ヒラメは水産会社の陸水（堺市）が稚魚を香川県から仕入れ、岬町の淡輪漁港内の建物に設置する陸上養殖のいけすで８００グラム～１キロに育てて出荷している。

このヒラメは２７日～８月２日と同月１１～１４日、高島屋大阪店地階の鮮魚店に並ぶ。期間中は毎朝、いけすから取り上げてしめ、南海電気鉄道の社員が保冷箱を持って特急サザンに乗り込み、みさき公園駅からなんば駅まで運んで高島屋の社員に届ける。

陸水は昨年８月から新規事業で陸上養殖をスタートさせ、飲食店向けにクエやサーモン、フグなどを出荷してきた。今回は一般消費者にも陸上養殖を知ってもらおうと、養殖中のヒラメを初めて高島屋に出品。鮮度を保ちながら輸送費の削減にもなることから、南海電鉄に依頼した。

ヒラメを網ですくう陸水の奈須悠記社長＝岬町

陸水の奈須悠記(ゆうき)社長は「陸上養殖のヒラメは生餌や抗生物質を使わないので、くさみがなくさっぱりとした上品な味わい。鮮度が良いので歯応えも楽しめる」と自信をみせる。

南海電鉄の担当者は「沿線には優れた農水産品がたくさんある」とし、通常の運行ダイヤの電車で乗客とともに物資も輸送する「『貨客混載』の可能性を探っていきたい」と語る。高島屋も「大阪・関西万博に向けて大阪のええモンを紹介していきたい」としている。

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July 28, 2022 at 07:30PM
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