先週水曜、ケネディ宇宙センターではギネスワールドレコーズからNASAのチームに認定証が贈られ、重量665万ポンド(3,106トン)を誇る「クローラー・トランスポーター2(CT-2)」が世界で最も重い自走車両として認定されたとNASAが発表しました。
NASAのCT-2は元々、60年近く前のアポロ計画時代にサターンVロケットを輸送するため設計された巨大な運搬用車両。老朽化した同機がアルテミス計画のメガロケットSLSを支えられるよう大規模な改修をしたところ、世界記録が樹立されたのでした。
CT-2、あだ名は「フランツ」
CT-2の名称に「2」と付くだけあって、併せてクローラー・トランスポーター1(CT-1)も製造されており、両機は1965年からNASAのロケットをフロリダ州にあるケネディ宇宙センターの第39発射施設へと輸送する役割を担ってきました。
Collect Spaceによると、2台にはコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』のコントに登場するボディビルダーのキャラクターにちなんで、「ハンス」と「フランツ」というあだ名がつけられたそう。
NASAは2012年に、人類を50年超ぶりに月へ運ぶために設計した新型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」を支えられるよう、フランツことCT-2を大改造。
大変身を遂げた後、同機の重量は595万ポンド(2,700トン)から665万ポンドへと増え、超重量車両としての記録を塗り替えたのでした。ピックアップトラック(キャビン後方に開放式荷室を備える小型貨物自動車)1,000台分に相当する重さになるとか。
NASAクローラー・エレメント・オペレーションズのJohn Giles氏は、リリースのなかで以下のように語っています。
設計・建造された1960年代当時、NASAのクローラーは驚くべき機械でした。この60年のあいだに、両機がアポロ計画やスペースシャトル、そして今やアルテミスのためにこなしてきた運搬を思い返すと、尚更すごいことですよね。
すでに重量のあるCTが、さらにヘビーな荷物を運ぶわけですから、発射台へはまさに這うようにゆっくりと進んでいきます。ロケットを積んだCT-2の移動速度は時速1マイル(1.6km)ほどですが、スペースシャトル組立棟(VAB)から発射台までの4.2マイル(約6.7km)は8~12時間かかるとか。もはや徒歩の方が早く着きそうな速度です。
次の活躍に向け準備中
2022年11月に実現したアルテミス1ミッションの打ち上げのために、CT-2はSLSロケットと宇宙船オリオンを何度も輸送していました。
同機は現在、アルテミス2に向けて準備中。前述のリリースには、「無限軌道(クローラー)のパーツを交換し、車両の内部に腐食防止を施して、そしてSLSとオリオンを載せる前にモバイルランチャー(移動式の打ち上げプラットフォーム)を運ぶ」と書かれていました。
ギネス世界記録に認定されたCT-2は、すべてが順調にいけば来年の11月に再び活躍することになっています。
Source: NASA(1, 2), Collect Space,
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April 05, 2023 at 10:30AM
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NASAのロケット輸送機、「世界一重い自走車両」でギネスに - GIZMODO JAPAN
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